研究テーマ
幼児期の発達と学びの連続性を考慮した小学校教育への円滑な接続を図る
〜保・幼・こ・小の学びの連続性を通して〜

令和3年度島尻地区教育研究団体連絡協議会(島教連)活動状況報告書より〈与那原町立与那原幼稚園〉

テーマ設定理由

子供を取り巻く社会状況は、核家族化、少子化などによる多様な教育観、家庭環境の変化が見られるようになってきた。このような変化に伴い、教育現場では、いろいろな課題が生じている。

幼児期の教育は、子供の発達や実態に合わせて、時間にゆとりをもって遊びを中心とした保育となっており、小学校教育では、決められた時間の中で学習をしている。その環境の変化に対応し、小学校生活を楽しんでいる子供もいるが、中には環境の変化に戸惑ったり、人との関わりにおいて言葉が不十分で友達と馴染めなかったりする子が見られる。そのことから、保育園・幼稚園・認定こども園・小学校においては、お互いの教育について情報の共有や連携を十分に取っていく必要がある。

幼稚園教育要領解説でも、第1章第3節5小学校教育との接続に当たっての留意事項、(2)小学校教育との接続、(2)『幼稚園教育において育まれた資質・能力を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校の教師との意見交換や合同の研修の機会などを設け、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなど連携を図り、幼稚園教育と小学校教育との円滑な接続を図るよう努めるとする。』また、『幼稚園・認定こども園・保育園・小学校との合同研修会、教師と保育士の交流、園児や児童の交流なども進め、幼児期の教育の成果が小学校につながるようにすることも大切』と示されている。

2010年の文部科学省「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について(報告)」(幼小接続における教育課程編成・指導計画作成上の留意点)では、学びの基礎力の育成を図るため、幼児期(特に幼児期の終わり)から児童期低学年にかけての教育においては「三つの自立」(学びの自立・生活上の自立・精神的な自立)を養うことが必要であると述べられている。

本園は、小学校に併設されており朝の活動や休み時間を活用して小学校の飼育当番やボランティア委員活動などを通して、幼児と児童の交流が日常的に行われ、小学校のお招き会や給食体験なども年間計画に位置付けられている。

小学校連携担当は、「スタカリだより」(スタートカリキュラムだより)を発行して保幼こ小接続に対する学校全体の気運を高めることに努めている。

幼児と児童の交流は行われているが、教師同士の交流や情報共有、接続期カリキュラムとスタートカリキュラムの接続は十分ではない。

幼児教育は、その後の学校全体の生活や学習の基盤を培う役割を担っている。そのため、幼児教育においては、小学校以降の子供の発達を見通した上で、幼児期に育てるべきことを幼児期にふさわしい生活を通して育てることが大切である。

昨年度から、実施している3年保育で3歳児、4歳児、5歳児のカリキュラムの擦り合わせを行い、区切り目のギャップはないか確認し、見直しを図ることで保育の質を高めたい。

幼児期の教育から小学校教育へ学びのつなぎとして「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を小学校教諭と共有し、幼児教育と小学校教育との円滑な接続を図っていきたい。

研究の視点

スタカリだより

ホームのボタン HOMEPAGE TOP